ワークエンゲージメント向上に貢献する社員証ケース
会社への帰属意識の低下
近年、会社に対する社員の帰属意識が低下傾向にあると言われています。帰属意識とは、「組織や集団の一員として組織に属している」という個人の中に芽生える意識、認識のことです。家族はもちろん、会社、学校、友人とのつながりなどを通じ、誰もが何かに所属しています。帰属意識を持つことで、そこに所属し続けたいという思いやその集団、組織の成功に向けて貢献したいという意欲が引き出されることがわかっています。
社員と会社の関係においても、社員が帰属意識を持つことで、離職率の低下やモチベーションアップにつながります。最近では、低下してきている帰属意識を高めようと様々な取り組みを行う会社が増えています。また、人的資本といった考え方が導入されるなど、会社を取り巻く環境からも社員の帰属意識やエンゲージメントといった部分に注目が集まっています。
人間は元来、人や会社などに属し、受け入れられたいという願望を持っていると言われています。では、なぜ会社への帰属意識が低下しているのでしょうか。原因として挙げられるのは以下の3点です。
終身雇用制・年功序列賃金の終焉
昔は定年まで働き続けることが当然で、勤続年数を重ねていくことで賃金も上昇し、帰属意識を高めていく構造がありました。しかしバブル終焉とともに、成果を上げない社員の給与までも継続的に上げていく会社の余力がなくなり、実質日本型雇用システムは崩壊しました。賃金が上がらない社員にとって、会社への帰属意識を持ち続けることが困難になってきました。
勤務形態の変化
中途採用の増加、確定拠出年金によるポータビリティ化など、環境、制度が変わり、転職するという選択肢が当たり前になってきています。また、在宅勤務の導入などで、社員がそろって働く機会が減り、社内コミュニケーションも低下しています。
会社の考えやビジョンが不明確
会社を取り巻く環境が目まぐるしく変化していく中、会社も日々変化しており、その中で社員に十分にビジョンが伝わっていないことが考えられます。そのため社員としては会社に留まる理由が見えにくくなっています。
会社に所属していれば、自然と帰属意識が高まっていた仕組みがなくなりつつあること、自身の居場所が今の会社以外にも求めやすくなっていること、社内コミュニケーションの低下や会社のビジョンの不透明さで、会社自体の求心力が低下していることなどから、帰属意識を維持しにくくなっている状況が見えます。
会社への帰属意識を高めるためには求心力と所属の見える化がカギ
それでは、会社への帰属意識を高めるためにはどうすればいいのでしょうか?そのためには、会社の求心力を高めることと、社員に集団に所属しているという意識を持ってもらうことが重要です。
求心力を高める
まず、求心力を高めるためには、会社の考えを伝え、社員に共感してもらうことが効果的です。そのための方法として、社内報を作成したり、動画などを作成して社員にPRする会社もあります。また、高級ホテルのリッツカールトンでは、クレドカードと呼ばれる、企業の信条や行動指針を簡潔に表現したカードを社員全員に配布し、帰属意識を高めている有名な取り組みもあります。社員はいつでもクレドカードを手に取ることで、求められていることを再確認することができます。
所属の見える化
次に会社に所属している意識を高めるためには、所属の見える化が効果的です。同じ制服やユニフォームなどを着ることでその会社に所属している意識が高まり、その一員として行動しようとします。プロスポーツなどでも移動用のバッグやジャージをそろえたりすることで帰属意識を高めています。しかし、制服等を支給することはコストがかかったり、同じ服を着ることに対する社員の抵抗感などもあり、こういった取り組みはなくなりつつあります。
そこで、例えば会社のロゴが入った手帳カバーやしおりといった、普段使うけれども、なかなか自分ではいいものを購入しないようなものを共通で持つことによって、帰属意識を高めるのはどうでしょうか。普段手に取ることが多いものであれば、目に触れることも増え、所属していることをより見える化することができます。
社員証ケースというアイディア
社員証ケースの刷新
比較的スピーディに取り組める内容として、社員証ケースの刷新というアイデアを提案します。所有しているものが個人により異なる中で、社員証ケースは唯一といっていいほど、同じ会社の社員は同じものを身に着けています。
社員証は身分証明書にもなることから、その会社に属していることを証明するものであり、それを収納する社員証ケースと合わせて、所属の見える化の代表的なツールと考えられます。
お客様や取引先からの目線
社員証ケースがビニールの薄いものだとやはり社員の意識も高まりません。本革の高級なものを使ったり、会社の刻印が押されたものなどを使用することで、社員の帰属意識を高めることができます。また、高級品を持つと、それに似あう行動や考え方をするという心理学的な考えが、マーケティングでも活用されています。自社社員のみでなく、お客様、取引先などから見た印象も高めることができます。
クレドを収納するケース
また、社員証ケースを提供する機会として、会社の創立記念などの節目に、クレドカードと社員証と一緒に収容できる社員証ケースも配布することで、より帰属意識を高めることが期待できます。こういった取り組みは多くの社員を巻き込みながら、皆で作っていくことが理想だと考えられます。
単なる社員証ケースの配布だけだと帰属意識につながりにくいですが、クレドカードの作成、社員証ケースのデザイン選択などのプロセスにも多くの社員を巻き込んで作り上げることで、自分ごと化され、より愛着を持ってもらうことができます。またその過程で社内コミュニケーションも生まれてきます。
まとめ
以前は当然のように社員が感じていた帰属意識も、近年では会社が色々な取り組みを通じて維持していく必要があります。しかし、会社が押し付けるように情報を発信するだけでは帰属意識は高まりません。社員の中で所属していることを感じることができる取り組みとして、社員証ケースを用いた「所属の見える化」はいかがでしょうか。